自家製R1ヨーグルトのススメ―不腸改善計画!(マジメ編)

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Photo By Ebisu
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ちょっと間が開きましたが、予告通り、本日は先日の「自家製R1ヨーグルトのススメ―不腸改善計画!(おバカ編)」の続編記事です。

前回のふざけた内容と打って変わって、今回はちょっと硬派な内容となっております。前回の記事を読んですぐに今回の記事を読まれる場合は、思わぬ落差につまずかれぬようお気を付けください(笑)。

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R1乳酸菌の健康効果の検証

ええっと、当ブログのモットーの一つに「読んだことや聞いたことをそのまま信じるな、つねに一次ソースをあたれ」というのがあります。私ゑビスは基本的にとても懐疑的な性格なので、ネットでありがちな一次ソースも示さずに「何か知らんが、ほにゃららが健康にいいみたいだぞ!」みたいな伝聞の三段重ねから捻り出したような出所不明の記事を鵜呑みにはできない質なんですね。

そんな疑り深い私としては、R1乳酸菌についても、巷で盛んにインフルエンザに有効であるとか、免疫機能を向上させるなどと言われているわけですが、ホントのところはどうなのか?がやはり気になるわけです。

そこで今回は明治の「学会発表・論文/R-1乳酸菌の研究」というページに掲載されている論文のリストのなかから、比較的最近のものでなおかつ今回私が知りたいと思っていることの答えが書いてありそうな「ヨーグルト乳酸菌が産生する菌体外多糖の利用と培養条件の影響」という2013年の論文を適宜引用しながら、私なりにR1乳酸菌の健康効果を検証してみようと思います。

菌体外多糖(EPS)が重要キーワード

乳酸菌がヨーグルト中に産生する物質としては菌体外多糖(EPS)が挙げられる。[…]乳酸菌が産生するEPSについては物性面だけではなく、生理機能についても研究が行われている。代表的なEPSは北欧の粘性発酵乳Viiliに含まれるリン酸化EPSである。[…]Viiliの発酵に用いられるLactococcus lactis ssp. cremorisが産生するリン酸化EPSには、in vitroにおけるB細胞マイトジェン活性、マクロファージ活性化作用といった免疫賦活作用が報告されている。
(引用元:牧野聖也、池上秀二、ヨーグルト乳酸菌が産生する菌体外多糖の利用と培養条件の影響 日本乳酸菌学会誌 Vol.24 No.1 p.10)

いきなり引用から始めましたが、ここでは乳酸菌が菌体外に産生するEPS(エキソポリサッカライド)という物質があり、EPSにはマクロファージ活性化作用といった免疫賦活作用があることが知られれている、ということが述べられています。

これだけでは少しわかりづらいので補足しておきますと、EPSというのは糖が繰り返し結合した高分子の多糖体です。ヨーグルトのモタッとしたテクスチャーといいますか、そうした質感にも寄与しているネバネバ物質がEPSです。

中性のEPSではなく酸性のEPSにとりわけ高い免疫賦活作用があるようだ、ということも論文中で述べられているのですが、まあこれはああそうなんだくらいに頭の隅に置いておいてください。まあ、ここではキーワードはEPSということをおさえておいていただければ十分です。

EPSを大量に産生する菌株として選抜されたのが1073R-1乳酸菌

本稿では、当社が保有するL. bulgaricusの中で免疫賦活作用を有するEPSを最も多く産生することが明らかとなったL. bulgaricus OLL1073R-1(1073R-1乳酸菌)が産生するEPSと本菌株で発酵したヨーグルトの免疫賦活効果について、マウスへの経口投与によるナチュラルキラー(NK)活性上昇効果、抗インフルエンザ活性、そして健常高齢者に対する風邪症候群への罹患リスク低減効果を中心に紹介する。
(引用元:牧野聖也、池上秀二、ヨーグルト乳酸菌が産生する菌体外多糖の利用と培養条件の影響 日本乳酸菌学会誌 Vol.24 No.1 p.10)

で、明治が保有するL. bulgaricusという菌株のなかから最も多く免疫賦活作用を有するEPSを産生する菌株として選抜されたのが、何を隠そう1073R-1乳酸菌なんですね。免疫賦活作用のあるネバネバの多糖体をいっぱい作ってくれるのがR-1乳酸菌ということになります。

R1乳酸菌のEPSがナチュラルキラー細胞を活性化する

本EPSを含むヨーグルトがNK活性上昇効果を発揮するかどうかを確認するために、1073R-1乳酸菌で発酵したヨーグルト[…]を調整し、[…]マウスに4週間経口投与して脾臓細胞のNK活性に与える影響を評価した。その結果、[…]NK活性の有意な上昇が認められた。その一方、未発酵乳や他の乳酸菌で発酵した対照ヨーグルトの投与ではNK活性の有意な上昇は認められなかった。1073R-1乳酸菌が産生する産生EPSはin vitroにおいてIFN-γ産生誘導活性を発揮し、マウスへの経口投与により脾臓細胞のNK活性を上昇させることが明らかとなった。
(引用元:牧野聖也、池上秀二、ヨーグルト乳酸菌が産生する菌体外多糖の利用と培養条件の影響 日本乳酸菌学会誌 Vol.24 No.1 p.12)

R-1乳酸菌で発酵したヨーグルトをマウスに経口投与して調べてみたらナチュラルキラー細胞の活性の有意な上昇が認められたということです。他の乳酸菌や未発酵の牛乳で対照テストしてもNK活性の有意な上昇が認められなかったので、R-1乳酸菌は他の乳酸菌と違ってスゴイ奴みたいだぞということなんですね。

ただこれだけでは具体的にどういった経路でR1乳酸菌のEPSがナチュラルキラー細胞を活性化するのかがわかりにくいので、ちょっと細かい流れを箇条書きにしておこうと思います。興味のない方はさっくり読み飛ばしていただいてかまいません。

  1. R1乳酸菌のEPSが小腸のパイエル板のM細胞を介して体内取りこまれると、そこに常駐しているマクロファージや樹状細胞がそれを外敵(の一部)として認識し、ヘルパーT細胞を刺激する
  2. 「敵が来たぞ!感染した細胞を攻撃せよ!」という指令がヘルパーT細胞から出される
  3. この指令の中身はINF-γ(インターフェロンガンマ)というサイトカインであり、NK細胞を活性化する。また、実は活性化されたNK細胞自体もINF-γを産生するのでさらにNK細胞の活性化につながる
  4. 活性化されたNK細胞が、ウイルス感染細胞や癌細胞などをアポトーシスで退治する

どうでしょうか、ちょっとわかりにくいでしょうか。まあ、R1乳酸菌の作るEPSには他の乳酸菌にはない能力(インターフェロンガンマ誘導能)があって、その能力によってNK細胞が活性化されて最終的に免疫機能が向上するということをおさえておけば十分だと思います。

おまけ:多糖体と免疫の関係って面白い

多糖(たとう、英語: polysaccharide, ポリサッカロイド、ポリサッカライド)は、グリコシド結合によって単糖分子が多数重合した物質の総称である。
(引用元:Wikipedia

多糖っていうのは要するに単糖分子が多重結合したものですが、細菌の細胞壁にはペプチドグリカンやリポ多糖体などの多糖類が含まれています。で、これらの物質は古くから免疫賦活物質として知られていたんですね。

R1乳酸菌のEPSやキノコのベータグルカンなど人体に害のない多糖類も、異物としてマクロファージに認識され、結果として免疫が活性化して種々の健康増進効果につながると考えられています。

とまあ、これだけだと何だか胡散臭い健康食品系の宣伝みたいに思われるかも知れませんが、たとえば養殖魚を薬品の使用量を抑えつついかに病気から守るかというテーマのもと、実際にペプチドグリカン、リポ多糖類、ベータグルカンなどの多糖類を魚に投与して影響を調べた研究などもあります。で、実際に魚体において白血球の殺菌能力の向上や免疫物質が活性化されることが確認されているんですね。

そもそも魚の免疫システムと哺乳類の免疫システムがどの程度共通性があるのか?なんてこともちょっと気になりだしたゑビスですが、さすがに本日はそこまで脱線するのはやめておきます(笑)。

まとめ

以上、ちょっと脱線もありましたが、私なりにR-1乳酸菌について検証してみました。もちろん今回参考にしたこの一つの論文(ぶっちゃけ明治のお抱えの研究者の方々によって執筆されているわけです)だけで、R-1乳酸菌の種々の健康効果が完全に証明された!と考えるわけにもいかないんですが、ただ、少なくともどのようなメカニズムでR1乳酸菌が免疫機能の向上や抗インフルエンザ効果を発揮すると考えられているのか、その要点などが理解できたことは個人的にとても有益でした。

さらに多糖体と免疫というのはなかなか面白いテーマだなあと今回新たな興味が湧いてきましたね。

さて、日々の実践という意味では、ヨーグルトを毎日食べ続けること事態に大きなリスクが伴うわけでもないので、とりあえず今後も私は整腸効果狙いで自家製R1ヨーグルト生活を継続していこうと思います。

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